THINKING GOES TO SCHOOL



思考のための学校

ピ エジャ理論に基づく教室や
家庭でできる知能の鍛え方

ハンス・G・ファース/ハリーワックス 著
武富真紀 訳
北出 勝也 監修

定価 1700円(税別)
発行 東京図書出版会
発売 リフレ出版




以前少し参加していた絵本の翻訳サーク ルの 会長さんをされていた
武富さんという方が本を出版されました。少しだけ訳のお手伝いをさ
せていただくつもりでしたがなかなかお役に立てませんでした。
お母様の介護をされながら、初志を貫いた武富さんに脱帽です。

原書は発達心理学の創始者といわれるスイス人心理学者ジャン・ピ
アジェ博士の教育理念を実際の教育の場で実践したアメリカの障害
児教育の先駆者ハンス・G・ファース博士とハリーワックス博士により
書かれたものです。
第一章のピアジェ理論の紹介とモデル校となったアメリカウエストヴァ
ージニア州のタイラー小学校で使用されたカリキュラムと楽しみながら
思考力を向上させるよう理論的に組み立てられたゲームを詳細に説
明した第二章の二部構成になっています。



武富さんとこの原書の出会いは,絵本の翻訳サークルに所属されていた
方のお嬢様に知的障害があり、家庭で訓練のための教材として翻訳を
依頼されたからです。そのお母様の素晴らしい努力でお嬢様は普通高
校に進学され福祉関係の大学に進学されたようです。

体を使った使ったゲームはその過程で思考を必要とし楽しみながら子
供の考える力を伸ばしバランスの取れた心身の発達に役立ちます。様
々な身体的理由で発達障害を持つ子供の発育を促すだけでなく健常
児にも更に考え行動する力を身につけさせることができます。

本書には、視神経のトレーニングによ視力のバランスを改善するための
ゲームも多く紹介されていますが、私自身先天性の外斜視で左右の視
力が極端に違うので体のバランスを取るのが難しくスポーツが苦手です。
また今になればそれに伴う生活の不便さから来るストレスから膠原病を
発病したのではないかという思いがあります。
現に通常の視力検査などで見逃されがちな視覚障害により黒板の字が
見えにくいなどで集中力を欠き、情緒不安定や学習の遅れなどの問題を
抱え不登校になったり非行に走るケースも多く見られるようです。

障害を持つ持たないに関わらずこの理論と実践を知っていただくために
少しでも多くの方にこの本を読んでいただきたいと思います。


発達心理学の創始者ジャン・ピアジェ博士 J. Piaget(1896〜1980)

半世紀以上に渡り子供の思考発達に関する研究に関わり新生児か ら青年
までの知識の世界を科学的に明らかにしました。その研究は、哲学、心理
学、生物学、 数学、その他多くの分野に大きな影響を与えその功績は哲学
のカント、物理学者アインシュタインと並ぶものともいわれています。

ピエジャ博士は成長する子供はいつも自分と自分の世界を理解しようとして
いるととらえ幼児のあそびのなかにも知的行為があること=「思考する子供」
が行動や策略でどのように発達するのか=を臨床実験によって証明しました。

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