エケベリア・セクンダ
Echeveria secunda   (ベンケイソウ科)

園芸名:七福神(シチフクジ ン)
高咲蓮華(タカサキレンゲ)
玉蝶(タマチョウ)、その他
英・呼び名:Hen and Chicks

原産地:メキシコ周辺

本種について日本では「七福神」という園芸名が一般的ですが、「高咲蓮華:E. glauca
とする説も根強いものがあります。また E. glaucaは E. secundaの旧学名とする記事もあり、
さらに「七福神」は販売に縁起をかついだ呼び名で本当は「玉蝶」だ、という説もあるそうです。
いずれにしても日本での園芸名は明治(推測です)の昔、本種が輸入されたときに当時の販売業者
さんたちがそれぞれ販売流通名をつけて販売した名前が園芸名としてそれぞれ残っている、
と考えても不思議ではないでしょう。また、「高咲蓮華」はEcheveria  の総称との説もあり、
これもうなづけなくはな いと思えます。そもそも海外のサイトを見ても本種(丸っぽい広葉)と
(角ばった広葉)と(少し角ばった細葉)の3型の植物体の画像が以下の学名(頻度の多い順)
E. secunda,  E. secunda var.'Glauca',   E. glauca,  E. imbricate, E. pumila,  E. elegans,
に付してどの型かが貼ってあります。全くランダムですが、丸、角の広葉の方が多く見られます。
そしてどの学名にも common name として Hen and chicks(メンドリとヒヨコたち)と記してあるのが
見られ、そのことがこれら混乱の原因のひとつとも考えられます。もっとにぎやかな Hens and chicks
も見られ、またこの呼び名はセンペルビブム属のある種にも、更に子吹きの激しい他の植物にも見られます。
このように国内外ともに大いに混乱していて、どれが正しいとも、誤りとも言えない状況と思います。
従って、当館では現時点で一般的な学名と、園芸名を一旦決めてしまいます。すなわち、
本種は E. secunda 七福神。角ばった広葉、細葉を一旦区 別せずに E. secunda var.'Glauca'
でグラウカ。E. glauca(旧) =E. secunda。 E. imbricataは'Imbricata'=secunda x gibbiflora'Metalica'。
E. pumilaは E. secunda var.'Glauca'のシノニム(secunda var.pumila, Pumila var. glaucaなど等 )
E. elegans は英common nameのHen and chicks でかぶった間違い(別種:月影でよい)
ということに現時点では理解して、他の国内園芸名は「またの名」として扱うこととします。

本種の特徴は丸っぽい広めの葉を密にロゼット状につけ、葉並びの妙があります。
 日当たりの良し悪し、水遣りの頻度、用土の栄養状態などで育ち方に大きな差があり
大きく育ったものは薄い葉で径35センチほどにもなり、日当たりよく水遣り控え、肥料少なく
育てると、厚葉で径10センチほどの多肉ぶりになり、両者は一見別の植物に見えるほどです。
花付きはあまり良いとはいえず、初夏から夏、年1回の開花ですがかなり長期間咲き続けます。


コンパクトに冬を越したところ

        大きく育ちました。              この小さい方の株と、この画像は一年後の同一株です。

花は7月ころから9月あるいはもっと、一花茎が長持ちします。

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